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AIエージェント時代、価値を出し続けるマネージャーの型は2018年から決まっていた

2026/5/22

株式会社deflag CRO

岩瀬陽平

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  • # AI

  • # AIエージェント

  • # 営業マネージャー

「結局のところAIエージェント時代に “生き残るマネージャー” って、どんな人なんですか」

登壇のあと、お客様との会食、社内の壁打ち。

最近、いろんな場面で、この問いをもらうことが増えてきた。

正直に言うと、この答えは私自身も日々考えていますが、この問いを受けるたびに、

2018年頃の風景を思い出している。

DXという言葉が、ようやく日本の現場に降りてきた頃の話だ。

私はその時期から、BtoB企業を中心にMA/CRMの導入を60社超の現場で見てきた。

あの頃、「DXさえやれば」と機能の話だけをしていた経営者・責任者の方々の顔と、いま「AIさえ入れれば」と話している方々の顔が、私の中でなぜか重なる。

別人なのに、表情が似ている。

本稿は、その重なりを起点に、AIエージェント時代に “現場で価値を出し続けるマネージャー” の型について書いてみたい。

否定の話ではなく、可能性の話として。

ハイブリッド人材は、AI時代でより一層、らしさを発揮している

2018年頃のDX期に、私が「この人は素敵だな」と感じたマネージャーには、共通点があった。

リアルとデジタル、両方を行き来できる人だった。

オフラインで顧客に会い、現場の手触りを持っていて、それをデジタルの設計に落とし込める。

逆方向にも翻訳できる。データから見えた違和感を、現場の言葉で語り直せる。

当時、私はこの方々を “ハイブリッド人材” と呼んでいた。

そして今、AIエージェントの時代になって、はっきり見えてきたことがある気がする。

当時のハイブリッド人材の方々は、AIによって、より一層その人らしさを発揮しているように見える。

業務の棚卸しができる人、業務を構造化できる人、顧客視点で意思決定できる人

そういう方にとって、AIエージェントは “やりたかったことを、ようやくスケールできる道具” として機能している印象がある。

新しい型が必要になったのではなくて、もともとの型に、追い風が吹いているように感じる。

AIエージェント時代に “現場で生き残る” マネージャーの4つの型

私の感覚で整理するなら、こうなると思う。

1. 概念から本質に降りられる

機能を理解することは、もちろん大切だ。

ただ、機能から入ると、ツール選定で議論が止まりがちだ。

概念から入る人は、違う。

「そもそも、自分たちの組織にとってAIエージェントとは何の役割か」

「お客様との関係性の中で、どこを自動化し、どこを人間が持ち続けるべきか」

この問いから始められる人は、機能の話に降りても、本質からぶれにくいと感じる。

逆方向は難しいのではないか。

機能の話から入って、後から本質に登っていく人を、私はあまり見てこなかった気がする。

2. 業務と顧客を構造化できる

AIエージェントは、構造化された業務に強い。

逆に言えば、業務がぼんやりしている組織では、AIを入れても “ぼんやりした業務をぼんやりこなす” だけになりやすい。

生き残るマネージャーは、自分の業務と、顧客の意思決定プロセスを、解像度高く構造化できる。

「うちの営業は、どの順番で、どんな情報を、どんな顧客に渡しているのか」

「顧客は、どんな順番で意思決定をして、どこで迷うのか」

ここを描ける人の下で、AIは初めて、まともに動き出すように思う。

3. 仮説 → 行動 → 振り返りが、もっと速く回せる

ここがおそらく、AIエージェント時代の最大の変化だと感じている。

これまで仮説を立てて、失敗と成功を繰り返してきた人にとって、AIによって営業現場のファクトデータが集まる形になっていく。

商談の内容、顧客の反応、フォローの結果。

人手で集めるには重すぎたデータが、AIエージェントを通じて自然と溜まっていく。

すると、意思決定の "早さ" と "しやすさ" が一段変わるのではないか。

仮説を立てる頻度が増え、行動の選択肢が増え、振り返りの粒度が細かくなる。

ただ、ここで強調しておきたいことがある。

これは “もともと仮説思考で動いてきた人” にとっての追い風だ、ということだ。

仮説を立てる習慣がない人にとっては、データが増えても、ただ “見るべきものが増えた状態” になりかねない気がする。

道具は、もともとの型を増幅する。

増幅される型を持っているか、ここが一つの分水嶺になるのではないかと思う。

4. アナログでの人間関係・巻き込み・発信ができる

ここは意外に感じる方もいるかもしれない。

AI時代になればなるほど、アナログの強さの価値が、むしろ上がっていると感じる。

なぜなら、AIに任せられる仕事の比率が上がるほど、最後に “人を動かす” のは、結局のところ人間関係だからだ。

社内で「これをやろう」と巻き込める人。

社外に向けて、自分の言葉で発信できる人。

顧客の期待の温度を、雑談から拾える人。

このアナログ筋力が強いマネージャーほど、AIで生まれた時間を、組織を動かす燃料に変えているように見える。

変わらないのは、顧客への姿勢

ここまで4つの型を書いてきて、改めて思うことがある。

AIエージェント時代でも、変わらない部分があるのではないか。

それは、顧客の期待や、関係性に向き合う姿勢だと感じる。

AIエージェントは、あくまで手段だ。

本質からぶれずに、生産性を上げるための機能として捉えていきたい、と私は思っている。

道具が新しくなるたびに、目的が道具に飲み込まれていく光景を、私は何度か見てきた気がする。

DX期も、そうだった。

AIエージェント期は、そうしたくない。

「ちょっと厳しそう」だった組織にも、可能性はある

最後に、少しだけ別の角度から書きたい。

2018年のDX期に、私が「これは厳しいかもしれない」と感じた組織には、共通する空気があった。

  • わからないから、聞かない。

  • 聞いてはいるけれど、行動はしない。

  • リスクばかりを気にして、踏み出さない。

ただ、これは “意識の可動域” の話であって、属性や年齢の話ではないと思う。

実際、当時このゾーンにいた組織でも、責任者が「まず聞く」「まず小さく動く」を取り戻した瞬間に、AI時代でぐっと伸びていった例を、私はいくつも見てきた。

つまり、ここは “可能性” の話でもある。

聞ける。動ける。少しのリスクを引き受けられる。

たったこれだけの姿勢の差で、AIは静かに、確実に、結果を変えていくのではないかと感じる。

型は、後天的に身につけていけるものだと思っている。

「CRMを触らない世界」とは、なんだっけ?

少し違う問いを置いて、終わりにしたい。

「CRMを触らない世界とは、なんだっけ?」

私たちDeflagがAIエージェントで作ろうとしているのは、営業現場のファクトデータが自動で集まり、営業担当はもちろんマネージャー自身がCRMを触らなくていい世界だ。

それが実現したとき、マネージャーが本当にやりたかったことは、何だったか。

おそらく、顧客の期待を聞き、組織の概念を語り、仮説を立てて、現場を巻き込むことだったのではないかと思う。

つまり、ここまで書いてきた “4つの型” そのものだ。

道具は語る人を選ばないが、語る人が道具の使い方を決める。

AIエージェント時代の “現場で生き残るマネージャー” の型は、2018年からもう決まっていた気がする。

そして、その型は、今いちばん追い風を受けている。

もしこの記事を読んで、何か頭の中で動くものがあれば、いつか一度お話ししてみたい。

株式会社deflag CRO

岩瀬陽平

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