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CRMの成否は「責任者の熱量」が9割。60社で見えた境界線

2026/5/21

株式会社deflag CRO

岩瀬陽平

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  • # SFA・CRM

  • # AI

「うちもCRM、入れたんだけどね」

この言葉を、私はもう数えきれないほど聞いてきた。

業種も規模も違う会社の経営者から、営業マネージャーから、現場の方から、口を揃えたように。

ツール選定にあれだけ時間をかけて、契約して、教育を入れて、それでも「使いこなせていない」という感覚だけが残っている。

ライセンス費は毎月落ちていく。
ダッシュボードは、誰のためでもなく開かれている。

私はこれまで、MA(マーケティングオートメーション)とCRMの導入を、FC加盟企業を中心に60社超の現場で見てきた。

入れて伸びる会社と、入れて止まる会社。その差はどこから来るのか。
本稿は、現場で見てきた "一つの仮説" の話だと思っていただきたい。

同じCRMを入れた2社が、半年後に違う景色になっていた

同じツール。似た規模。似たフェーズのBtoB企業。

両方とも代表が「次の成長のために導入する」と決め、似た金額を投資した。

半年後、私が両社を訪ねたとき、目の前にあった景色は全く別物だった。

片方の会社では、営業会議でCRMの画面が開かれていて、責任者が「今期、追うべきはこの指標。理由はこう」と語り出した。

もう片方では、CRMの画面はそもそも開かれず、責任者が「他社さん、どうやって使ってるんでしたっけ」と切り出した。

ツールではなく、運用設計でもなく、教育の量でもない。

決定的な何かが、両社の間にあるように感じた。

それを言葉にできるまで、私はしばらく時間をかけた気がする。

「うまくいかない会社」に共通していた4つの風景

整理するなら、こうなると思う。

1. 意思決定する人がいない

CRMの運用は、無数の小さな選択の連続だ。

「この項目は誰が入力するか」「このフェーズの定義はどうするか」「このダッシュボードに何を映すか」。

その一つ一つに対して “決める人” がいない組織では、議論が止まる。

止まったまま、半年が経つことが多い。

2. 業務フロー・ワークフローを可視化していない

CRMは、業務の上に乗る道具だと感じる。

業務そのものが可視化されていない状態でツールを乗せても、足元の地図が無いままナビだけ買うようなことになるのではないか。

「いま、自分たちはどういう順番で顧客と接していて、どこで何が起きているのか」。

ここを描けない組織では、CRMは “誰かが何かを入れている箱” になっていく。

3. 自社と顧客の状態から、運用が立ち上がっていない

これが、一番はっきりと目に見えた風景だと思う。

打ち合わせの第一声が「他社さんはどうですか」「同業の◯◯さんはどう使ってますか」から始まる。

他社事例を聞くこと自体が悪い、という話ではない。

むしろ参考になる場面はたくさんある。

ただ、参考が活きるのは、自社の今の状態と、顧客の今の状態が、自分の中で先に描けているとき だと感じる。

「自分たちは今、どのフェーズにいて」

「顧客はどんな順番で意思決定をしていて」

「だから、ここで他社のあの工夫が効く」

この順番で他社事例を引き寄せている責任者は、強い。

逆に、自社と顧客の状態を描く前に他社事例から入ると、運用設計が “誰か他社の縮小コピー” になりがちだ。

そのコピーは、自社の現場に馴染まない。

馴染まないものを現場に押し付ければ、運用は当然止まる。

CRMの運用は、他社事例の収集力よりも、「自社と顧客の状態を解像度高く描けるか」 で決まっていくのではないかと、私は感じている。

4. 経営から責任者へ「とりあえず進めろ」と言われていた

これも、本当によく見た風景だ。

「導入したから、あとは現場で進めて」

責任者は、経営から “状態目標” を渡されていない。

ゴールが描かれていない状態で、責任者は判断を下しづらい。

下せないまま、ツールだけが社内に置かれていく。

私が見てきた限り、こうなった会社の責任者は、半年ほどで自信を失っていくように見えた。

ツール導入の失敗というより、“状態目標を渡されないまま走らされた人” が、結果だけで評価される構造の失敗なのではないかと思う。

「うまくいく会社」の責任者は、会議で何を見ていたか

一方、うまくいく会社の責任者には、共通する3つの振る舞いがあるように感じた。

1. “できていないこと” ではなく、“理想に向けての議論” をする

これが、まず大きいと思う。

うまくいかない会社のCRM会議は、たいてい “誰が入力していないか” “数字が悪いのは誰か” を詰める時間になりがちだ。

うまくいく会社の会議は、違っていた。

「自社の顧客は、本来どう動くべきなのか」

「その動きを、自分たちはどう支えるべきなのか」

理想を語ることから始まり、現状はその理想に対する “差分” として扱われていた。

責任を取らせるための会議ではなく、未来に向き直すための会議だったと感じる。

2. 営業戦略として “見るべき指標” を明確に語れる

責任者がCRMの前で口を開いた瞬間、追うべき指標が3つほど即座に出てくる。

その3つが、なぜ今この会社の今のフェーズに必要なのか、自分の言葉で説明できる。

ベンダーの教育資料の言葉ではなく、自分の組織の言葉で。

これができる責任者の下では、現場のメンバーも、自分が入力する数字の意味を知っているように見えた。

意味があれば、運用は止まりにくいと思う。

3. 自社と顧客の状態から、運用を立ち上げていた

うまくいく会社の責任者は、まず自社の今と、顧客の今を、解像度高く描いていた。

「あの業種のあの顧客は、こういう順番で買う」

「自分たちは今こういう体制で、こういう案件比率になっている」

「だから、CRMのこのフェーズはこう定義したい」

机上の設計図ではなく、自社と顧客の状態から逆算された運用が、そこにはあったように感じる。

その上で、他社事例を参照していた。

順番が逆にならない、ということが、地味だが大きいのではないかと思う。

結局、CRMの成否は「人」と「状態目標」だった

世のCRM論は、ツール論に偏りすぎている気がする。

「使いやすさ」「カスタマイズ性」「導入支援」――もちろん、どれも大事だ。

しかし、私が60社超の現場を回ってきた限り、これらが成否の “主因” だった例を、私は思い出せない。

主因はいつも、二つだったと感じている。

1. 自社と顧客の状態を踏まえて運用を構築できる責任者がいるか

2. 経営が “状態目標” を明確に語れているか

この二つが揃った会社は、ツールの種類を問わず、CRMを運用に乗せていくように見える。

逆に、この二つが欠けたままどんなツールを入れても、半年後の景色はあまり変わらない。

ツールは “言語” でしかなく、語る人と、語る目的が無ければ、機能しにくいのではないかと思う。

AIエージェント時代でも、変わらない真ん中

ここで一つ、よく聞かれることに触れておきたい。

「AIエージェントが営業プロセスを一気通貫で自動化する時代になったら、こういう “人の話” は不要になるのでは」

私の立場としては、明確に “なくならない” と答えている。

私が今いるDeflagは、まさに営業プロセス全体(アポ獲得・議事録・CRMへのデータ格納・フォローメール作成まで)をAIエージェントで自動化する事業をやっている。

ただ、自動化が進めば進むほど、はっきり見えてくることがある気がする。

自動化された時間で、組織が何を成すか は、ツールではなく、責任者と経営が決めることなのだと感じる。

「とりあえずAIを入れろ」と、CRMのときと同じ指示が降ってきたら、おそらく結果も同じになるのではないか。

道具が進化しても、議題は変わらないと思う。

「自社の顧客は、本来どう動くべきで、自分たちはどう支えるべきか」

CRMの時代も、AIエージェントの時代も、議題の真ん中はこの一つだけだと感じている。

そして、その問いを語れる責任者と、その問いに状態目標で応えられる経営が、組織に揃っているか。

ここが、すべての分水嶺になるのではないかと思う。

私たちDeflagがAIエージェントで作っているのは、責任者から判断を奪う仕組みではなく、責任者がその “真ん中の問い” に向き直るための時間だ。

道具は語る人を選ばないが、語る人が道具の使われ方を決める。

この順序は、たぶん、これからも変わらない気がする。

もし今日の会議で「できていないこと」だけを詰めていたら

最後に、一つだけ。

もし今日のあなたの会議で、「未入力リスト」「数字が悪い担当者」「他社事例」だけを話していたとしたら。

少しだけ、会議の議題を変えてみる価値があるかもしれない。

「自社は今どんな状態にあって、顧客は今どんな状態にあるのか」

「その上で、自分たちはどう支えていきたいのか」

ここから始めるだけで、CRMの前に座る人の表情が変わる、ということを、私は60社の現場で何度も見てきたように思う。

ツールは、語る人の鏡だ。

今日、自分の組織の "鏡" には、何が映っているだろうか。

株式会社deflag CRO

岩瀬陽平

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