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2026年、AIをまったく使っていない人材紹介会社は、ほとんどありません。
議事録や求人原稿、推薦文、職務経歴書の作成には、多くの会社がAIを使っています。
DeflagがこれまでAI活用の相談やヒアリングで話を伺った人材紹介会社の方々も、何かしらのAIを取り入れている状態でした。
実際、事務作業時間は削減されていると聞きます。
公表されている大手の事例でも、職務経歴書の作成時間が2時間から30分に短縮されたと記載されています。
(出典: パーソルグループ ニュースリリース 2024年11月13日)
にも関わらず、私たちがお話を聞く限りで「AIのおかげで成約や売上が増えた」と話された方はわずかでした。
事務作業にかかる時間は減っているのに、成約数や1人あたりの売上は変わらない。
AI活用は進んでいるのに、業務効率化で止まっている。
今、そのような状況に共感される方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、Deflagがお話を伺った企業のうち、AI活用で成約や売上増加を実現している先進企業がどのようにして活用しているのかを紹介するとともに、
業務効率化で止まっている多くの会社とは、どういった違いがあるのかを、整理していこうと思います。

私たちがお話を伺った会社の多くがAIを使っていたのは、面談記録・職務経歴書・推薦文・求人票といった書類作成でした。
AIで減ったのは作成時間で、その先にある成約に影響のある指標は動いていません。
効率化で止まる理由は2つあります。

成約数は大まかに、面談できる求職者の数と、面談してからの決定率で決まります。
事務作業の時間を減らしても、面談できる求職者が増えるわけでも、面談後の決定率が上がるわけでもありません。
実際に、飲食特化の会社では事務作業は回っていて、足りないのは集客でした。
面談の数が変わらなければ、空いた時間は面談の合間に散っていきます。
AIを使うかどうか、どう使うかがCAの判断に任されていると、使う人と使わない人が分かれます。
大手転職サービスの人材紹介部門では、求人マッチングAIの提案がCAの感覚と合わず、再学習もしないまま使われなくなりました。
AIの出力を測って直す仕組みがなければ、精度は上がらないまま現場から消えていきます。
▼ 課題別15件以上の先行活用事例を掲載
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成約や1人あたりの売上を伸ばしている人材紹介会社には、共通する3つのことがありました。

AIを導入する前に、面談・提案・育成の手順と基準を揃えている。
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社は、評価制度とCRM(顧客管理システム)を整備し、成果を上げているCA業務フローを全員に共通する手順として定め手からAIを導入しました。
AIの利用を個人任せにせず、業務の流れに組み込んでいる。
先ほどの若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社では、面談で資料を映すと、その投影率が記録されます。
面談後には録音内容が採点され、面接を設定した際には、提案した求人の内容が確認される仕組みです。
CAがAIの利用を意識しなくても、全員が同じ手順で業務を進めるようになっています。
削減時間ではなく、成果に関わる指標をもとに改善している。
同社は、集客単価、面談からの決定率、CA1人あたりの月間成約売上に加え、資料の投影率や面談のスコアを確認しています。
登録から内定までのどの段階で次に進む求職者が少ないのかを数字で把握し、改善すべき工程を判断しています。
本記事では、取り組みを比べやすくするため、主に扱う求職者の層と会社の規模で各社を表記しています。
規模は従業員数で分け、1,000名以上を大手、100〜999名を中堅、100名未満を小規模としています。
会社 | 改善した数字 | 成果 |
|---|---|---|
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社 | CA1人あたりの月間成約売上 | 3年で約150万円から300万円超に増加。 |
ミドル層のIT人材向けの中堅人材紹介会社 | 面談を担当するCA1人あたりの売上 | 年間8,800万円。CAを大きく増やした年も、月約800万円を保っている。 |
医療・介護職向けの大手人材紹介会社 | CA1人あたりの売上 | 2,150万円から2,290万円に増加。 |
既卒・第二新卒向けの小規模人材紹介会社 | 面談決定率 | 10%から最大20%に増加。 |
どの会社も、AIだけで数字を伸ばしたわけではありません。
増員や教育体制の強化、集客の改善、紹介手数料率の見直しを同時に行っており、各社の資料もAIをいくつかある要因の1つとして説明しています。
この記事で紹介する事例の多くは、未経験・若年層や大量採用の求人を扱う領域のものです。
候補者の層によって、手順と基準で揃えられる範囲は変わります。
ハイクラス層をターゲットにしている会社では、求職者の層が高く難易度の高い求人ほど、単価は高いものの担当者個人の力に左右されやすく、同じ成果を再現しにくいでしょう。
ミドル・ハイクラスの大手人材紹介会社でも、中・高額帯を「コンサルティング型人材紹介の領域」とし、それより下の年収帯は「IT/AIを活用したプラットフォーム型人材紹介へ」と分けていたりしています(出典: 会社概要と中長期成長戦略 p.7 2025年11月26日)。
以下の事例は、自社が扱う候補者の層に合わせて読んでみてください。
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ここからは、先進企業の取り組みを紹介します。
課題 | よくある原因 | 先進企業の取り組み | 結果の例 |
|---|---|---|---|
面談設定率 | 集客からCAへの引き継ぎや求職者との連絡の中で、求職者が離脱する | 初回接触から面談設定の中で、歩留まりの低い箇所を特定し、求職者に対する質問文やマーケティング(集客)からCAへの引き継ぎフローを揃えてから、電話や誘導を自動化 | 面談実施率2倍、過去登録者からの面談実施数 約1.8倍 |
応募率 | 求職者に質問する内容と提案する求人が、CAごとに違う | 初回面談の進め方を揃え、提案する求人をデータで選ぶ | 新人CAの推薦率 約1.7倍、登録者応募率 +18% |
書類・面接の通過率 | 書類の品質と作成し提出する速さが、CAごとに違う | 書類を面談の当日に、同じ形式で仕上げる | 書類の未回収ゼロ、面接に進む人 約3割増 |
面談後の決定率 | 決まりやすい求職者と求人に、時間を寄せる基準がない | 属性別の決定率と企業別の内定率で、時間と求人を決める | CA1人あたり月間成約売上 約2倍、面談決定率 10%→最大20% |
CAごとのばらつき | 成果の高いCAのやり方が言葉になっていない | やり方を分解して基準にし、採点と練習をAIに任せる | 内定獲得率 約1.2〜1.9倍、社内検定の合格率 48%→70% |
登録はあるのに面談に来ない、電話がつながらない、書類づくりに追われて面談を増やせない。
求職者が面談に進まなくなるのは、多くの場合、担当者が替わるときや、面談の日程のやり取りに手間がかかるときです。
会社 | 揃えた手順・基準 | AIと自動化が担うこと | 結果 |
|---|---|---|---|
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社 | 登録サイト上での面談への誘導を見直す | 面談に向けたトークスクリプトの改善、つながった電話だけを担当者に回す自動架電、LINEでの面談誘導 | 過去登録者からの面談実施数 約1.8倍、面談実施率 前年同期比 +11.7pt |
美容・ヘルスケア職向けの中堅人材紹介会社 | すべてのリストに対して架電を行うフローを見直す | AIが登録者に電話をかけ、転職意欲のある人をCAにつなぐ | 月間の架電数4倍、面談獲得数 約2倍 |
若年層向けの小規模人材紹介・派遣会社 | 書類のフォーマットと、面談で聞く項目を揃える | 面談の音声から職務経歴書と推薦文を作る | 月間の面談数 15〜20件→30件 |
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社は、一度、集客から面談設定のフローの中で、面談の設定を別の担当に分けました。
すると、最初の電話から面談担当へ受け渡す間に面談まで進まない求職者が増え、登録からの面談実施率が体制を変える前より15.9%下がりました。
そこで、登録サイト上での面談を案内する流れを見直し、トークスクリプトの改善やLINEでの面談案内でのAI活用で、面談実施率を回復させました。
直近の第3四半期は、前年同期比で11.7ポイント上がっています。
同社は、過去の登録者への電話も改善しました。
すべての電話を担当者がかけていた形から、自動で発信し、つながった電話だけを担当者に回す形にしました。
その結果、登録から2か月以上たった求職者からの面談実施数が約1.8倍に増加しました。
美容・ヘルスケア職向けの中堅人材紹介会社は、担当者が電話できる数に限りがあることが課題でした。 登録者への初回の架電をAIが担当し、転職意欲のある人のみをCAにつなぐ形にして、面談獲得数が約2倍になりました。
【事例から読み取れること】
面談設定率改善のポイントは、登録から面談までの細かなユーザー体験です。
面談の設定を分業にして担当者が替わる回数が増えたとき、面談実施率が下がりました。一方で、面談の希望時間の聞き方を変えただけで、面談実施率が2倍になるようなケースもあります。
どちらも、登録から面談までのユーザー体験の少しの変化で面談実施率が変わっています。そのため、面談設定率の改善では特に、AIで自動化する前に自社のユーザー体験のどの場面で求職者が面談に進まなくなっているのかを確かめるのが先だと言えます。面談はしたのに、求人の提案から応募に進まない。
多くの場合は、面談で何を聞きどの求人をどう伝えるかが、CAごとに違うことが要因です。
会社(候補者の層) | 揃えた手順・基準 | AIと自動化が担うこと | 結果 |
|---|---|---|---|
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社 | 全員が同じ資料で面談する、聞く項目を固定する、希望を3つの軸に絞る | 面談の文字起こしから求人サマリーを作る、選考実績から求人を推薦する | 新入社員の推薦率 約1.7倍、新人CAの初回面談から推薦に進む割合 約5倍 |
ミドル〜ハイクラスの外資系大手人材サービス会社の人材紹介部門 | 成果の高いメンバーの面談を部内で共有する | 面談の録画・解析 | 求人への応募数 140% |
ハイクラス・コンサル業界向けの中堅人材紹介会社 | 営業管理の可視化 | 新人CAの書類添削と面接対策を、生成AIで支援する | 登録者応募率 +18% |
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社では、全CAが同じ資料を画面に映しながら初回面談を行います。
指定の資料を映したかどうかは、投影率としてCRMで計測し、転職理由・希望エリア・通勤時間・現在の年収と希望年収・興味のある業界は、などの項目も徹底して聞くようにしています。
同社は求職者の属性上、職種を決めるところから始めます。
求職者の希望を「お金・成長・安定」の3つの軸に絞り込み、どの軸を重視すると回答したとしても、自社が得意とする求人に行き着くようにスクリプトを作成しています。
そのうえで、面談の文字起こしと求人情報から、求職者ごとの求人サマリをAIが作ります。
求職者の価値観に合う点を要約して画像にし、面談中の画面共有やLINEでの送信に使います。
AIが事実と異なる内容を書かないようにする仕組みを設け、正式な求人票も必ず一緒に送っています。
提案する求人の選び方も、CAが個人の経験で求人を提案していた形から、自社のプラットフォームに貯まったデータに基づいて提案する形に替え、新入社員の推薦率が約1.7倍になっています。
選考の通過・不通過の実績からAIが求人を推薦する仕組みでは、新人CAの初回面談から企業への推薦に進む割合が、導入前の約5倍になっています(推薦するかどうかはCAが判断します)。
ミドル〜ハイクラスの外資系大手人材サービス会社の人材紹介部門は、面談を録画・解析して、成果の高いメンバーの面談を部内で共有し、求人への応募数が導入前の140%になりました。
【事例から読み取れること】
応募率を上げた会社は、面談で何を聞くか、求職者の希望をどの軸で整理するか、どの求人を候補にするかを、面談の前に会社として決めていました。
この3つが決まっていれば、経験の浅いCAでも、求人の提案まで進められます。
事例で上がった数字の多くが新人CAのものなのは、そのためだと考えられます。
一方で、決められた求人を、目の前の求職者が重視する軸に結び付けて伝えるところは、CAの役割として残っています。
標準化するところと、属人(個人の機転や勘)の切り分けが重要だと考えられます。応募は決まったのに、書類の提出を待つ間に求職者が離れる。書類選考や面接で落ちる。
原因は、書類の出来と出す速さがCAによって違うことです。
会社(候補者の層) | 揃えた手順・基準 | AIと自動化が担うこと | 結果 |
|---|---|---|---|
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社 | 面談音声の文字起こし、要点の抽出、書類づくりの流れを統一する | 面談の音声から履歴書・職務経歴書・推薦文を作る | 書類ができるまで4日→当日、導入初月で書類の未回収ゼロ |
若年〜ハイクラスの大手人材紹介会社 | CAがヒアリングし、素案を作り、求職者とすり合わせて仕上げる流れにする | ヒアリングした内容から職務経歴書の素案を作る | 面接に進む人 約3割増 |
時短・柔軟な働き方を望む層向けの中堅人材紹介会社 | 自社のフォーマットと評価基準に合わせて出力を作り込む | 面談の音声から推薦文と求人票を作る | 一次面接から決定までの通過率 +4% |
20代特化の会社では、面談をしても、書類の提出で15%ほどの求職者が離れていました。
そこで、面談の音声を文字に起こし、AIが要点を抜き出して、履歴書・職務経歴書・推薦文の下書きを作る流れに揃えました。
書類づくりにかかる時間は30分以上から5分未満になり、書類ができるまでの日数も4日から当日になっています。
その結果、導入初月に履歴書・職務経歴書の未回収がなくなりました。
若年〜ハイクラスの大手人材紹介会社の例は、ヒアリングした内容をもとに、AIで職務経歴書の素案を作り、CAが仕上げるフローにしています。
その結果、1人分の作成時間は2時間から30分になり、面接に進む人が約3割増えました。
面接対策は、先進企業でもまだまだ人が担っています。 若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社では、CAが1人の求職者に2〜3回時間をかけて面接対策を行っており、現在AIに置き換える仕組みを開発しているところです。
【事例から読み取れること】
書類作成にAIを使う価値は、CAの作業時間が減ることそのものより、次の2つにあります。求職者を待たせる時間が減ることと、空いた時間を求職者との会話に使えることです。
面談から書類ができるまでに数日かかると、その間に連絡が取れなくなる求職者が出てきます。書類を面談の当日に出せれば、この待ち時間そのものがなくなります。
また、AIが素案を作れば、CAは書類をゼロから書く代わりに、素案を見せながら求職者と経験や強みを確かめられます。書類の中身が具体的になるほど、選考で企業に強みが伝わりやすくなります。
書類作成にAIを入れるなら、面談から書類を出すまでの日数と、書類の回収率・通過率で効果を確かめることが重要です。面談の数はあるのに決まらない。
どの求職者にどれだけ時間をかけ、どの求人を提案するかがCA任せになっていると、決まりやすい求職者と求人に時間が集まりません。
会社(候補者の層) | 揃えた手順・基準 | AIとシステムが担うこと | 結果 |
|---|---|---|---|
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社 | 属性別の決定率で求職者にラベルを付け、ラベルごとに時間の上限を決める。前月の企業別内定率で、提案する求人(コア求人)を毎月決める | 面談の情報から求人票を作る。コア求人が入っていない面接設定をダッシュボードで知らせる(ラベルの判定はルールで行い、AIは使っていない) | CA1人あたりの月間成約売上 約150万円→300万円超 |
20代中心の小規模人材紹介会社 | 求職者と企業の情報を「定量・定性の2軸、各5段階」で定義し直す(3か月) | 議事録から定性的な情報を取り出して、求職者のポテンシャルを判定する。新人CAの面談前後の相談相手になる | 面談決定率 10%→最大20%、求人検索の工数 67%削減 |
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社は、事業を伸ばすために見るべきものとして、1つ目に集客の単価、2つ目に面談してからの決定率を挙げています。
月に400万円売っていても面談決定率が5%のCAより、月250万円でも面談決定率が20%のCAのほうがよい、という考え方です。
同社は、決まりやすい求職者と求人に、CAの時間を集中させる仕組みを構築しています。
求職者側では、過去の求職者を属性ごとに分けて、面談してからの決定率を出しておきます。
新しい求職者は、初回面談で聞いた項目から属性を判定し、決定率の高さに応じてS・A・Bのいずれかのラベルを付けます。
ラベルごとに、CAがその求職者に使える時間の上限も決めてあり、CAが個人の判断で時間配分をすることはありません。
求職者の属性ごとに面談の進め方もパターン化しており、面談の後に選考へ進む割合が過去最高となっています。
求人側では、マネジメント層とRAが毎月会議を開き、前月の企業別の内定率をもとに「コア求人」を決めて、数件ずつ入れ替えています。
コア求人とは、求職者が選考を受けたとき、一定の割合で内定につながると見込める企業の求人です。
約2万件の求人データベースのうち、実際に提案するのは数十社分です。
CAの役割は、決められた求人を、求職者の軸(お金・成長・安定)に結び付けて提案することです。
こうした仕組みで、同社のCA1人あたりの月間成約売上は、3年前の約150万円(月2〜3件)から300万円超(月平均5件)になりました。
面談の数は増やしておらず、伸びたのは面談後の決定率です。

20代中心の小規模人材紹介会社では、提案の質がCA個人の経験と勘に頼っていて、データも量はあるのに質が低い状態でした。
そこでAIを入れる前に、求職者と企業の情報を「定量・定性の2軸、各5段階」で定義し直し、このデータの整備に3か月かけています。
資格のような定量的な情報に加えて、面談の議事録からコミュニケーション能力や自主性などを取り出してCRMに貯め、求職者のポテンシャルを自動で判定しています。
新人のCAは、面談の前後にAIに相談して次の面談で何を詳しく聞くべきか助言を受け、AIの提案はチームリーダーが確認して直して改善しています。
【事例から読み取れること】
面談後の決定率は、CA一人ひとりの力量よりも、限られた時間を誰に使い、どの求人を提案するかで決まります。
決まりにくい求職者や、内定が出にくい求人に時間を使うほど、同じ面談の数でも決まる件数は減ります。この配分をCA一人ひとりの判断に任せると、配分の良し悪しが成果の差につながってきます。
必要なのは、過去の選考結果から「どんな求職者が決まりやすいか」「どの企業が内定を出しているか」を数字にできるかです。
ただし、この数字は変わります。企業の採用状況が変われば内定率も変わるため、基準は一度作って終わりにせず、定期的に見直す必要もあります。同じような求職者を担当しても、CAによって決まる・決まらないが分かれる。新人が一人前になるまでに、半年から1年かかる。
原因は、成果の高いCAのやり方が言葉になっておらず、面談の確認とフィードバックがマネージャーの空き時間に左右されることです。
会社(候補者の層) | 揃えた手順・基準 | AIと自動化が担うこと | 結果 |
|---|---|---|---|
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社 | 成果の高いCAの面談を基準にする。初回面談・提案・推薦の工程ごとに、成果の高いCAの行動を分解して育成に組み込む | 全面談を録音して項目別に採点し、フィードバックを返す。新人のロールプレイングの相手になる | 内定獲得率 約1.2倍(AIのロールプレイング)、入社後3か月の内定獲得率 約1.9倍(育成の強化) |
若手〜ハイクラスの大手人材紹介会社 | 育成を4工程に整理し、16のスキルを定義する | ロールプレイングの反復練習相手になる | 中途入社者の社内検定の合格率 48%→70%、研修工数 40%削減 |
若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社は、まずパフォーマンスの高いCAを決めました。
そのうえで、初回面談・提案・推薦の工程ごとに、その人たちが当たり前にやっている行動を書き出し、新人の育成プログラムに組み込みました。
結果、前年の入社者と比べて、入社後3か月の推薦率は約1.4倍、内定獲得率は約1.9倍になっています。
面談の品質はAIで測っています。
全面談・全通話を録音し、成果の高いCAの面談を基準にして、CAと求職者が話している割合、質問の仕方、聞くべきテーマを聞けているかをAIが点数にします。
傾聴力や深掘り力などを項目ごとに20点満点でAIが採点して、面談全体の総合ランクを出します。
「傾聴と共感」「提案力」などのフィードバックもAIが作り、マネージャーが普段書いているフィードバックを何度も学習させて精度を上げてきました。
若手〜ハイクラスの大手人材紹介会社は、育成を研修・ロールプレイング・商談への同席・フィードバックの4工程に整理し、営業に必要な能力を16のスキルとして定義しました。
そのうえで、知識や基本のトークはAIのロールプレイングで繰り返し練習し、実際の商談の記録をもとにAIと振り返る形にしています。
AIでは判定しにくい感情や文脈のフィードバックは、トレーナーが担っています。
他にも、ハイクラス・複数業界向けの中堅人材紹介会社では、面談を録画し、マネージャーが毎日の1on1で表情や声のトーン、話している割合を見てフィードバックしています。
【事例から読み取れること】
CAによる成果のばらつきを減らした会社が最初にしていたのは、AIを入れることではなく、成果の高いCAが何をしているかを書き出すことです。
AIに面談を採点させるにも、ロールプレイングの合否を判定させるにも、「何ができていれば良い面談か」という基準が必要になります。その基準になっていたのが、成果の高いCAの行動です。基準がなければ、AIは新人に何を直せばよいかを返せません。
「AIにまかせておけばうまくいく」というように過度な期待だけを持ってしまうと、実際の精度とのズレで期待外れだと感じてしまい、そのまま使わなくなります。成果の高いCAの基準を事前に決めておくこと・AIのアウトプットに対してフィードバックし精度を高める活動を継続することが重要です。5つの指標のうち、どこまで先進企業の取り組みが進んでいるかにも差があります。
登録から初回面談、面接設定までの前工程は、特にAI導入が進んでいた若年・未経験層向けの中堅人材紹介会社の役員も「かなり型化が進んだ」と話していました。
一方で、面接対策と内定後のクロージングは、同社でも成果の低いCAにマネージャーが入って支えている段階です。
私たちは、前工程で揃えた手順とデータが、後工程でAIを使うときの材料になると考えています。
同社でいえば、固定したヒアリング項目はラベルの判定と求人票の自動作成に、面談の録音は採点と求人サマリーに、過去の選考結果は求人の推薦につながっています。

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議事録や書類作成にAIを使っているなら、次の一手は、登録から内定までのどの段階で次に進む求職者の割合が一番低いかで決まります。
課題になっている指標 | 次に揃える手順・基準 | AIの使い方 | 確認する指標 | 前提 |
|---|---|---|---|---|
面談設定率 | 登録直後の聞き方と、担当の受け渡し | 架電と面談誘導の自動化 | 登録からの面談実施率 | 一定の登録数がある |
応募率 | 初回面談で聞く項目と、提案する求人の選び方 | 面談の文字起こしから求人の提案資料を作る | 面談からの応募率・推薦率 | 面談を録音している |
書類・面接の通過率 | 書類の形式と、面談当日に仕上げる流れ | 面談の音声から書類を作る | 書類の回収率・通過率 | 面談を録音している |
面談後の決定率 | 属性別の決定率と、企業別の内定率の出し方 | ラベル付けとコア求人の確認を仕組みにする(AIはその後) | 属性別の面談後の決定率 | CRMに選考結果が残っている |
CAごとのばらつき | 成果の高いCAの面談を基準にした評価項目 | 面談の採点と、AIのロールプレイング | 項目別の面談スコア、一人前までの期間 | トークスクリプトがある |
工程ごとに別々のツールを足していくと、ツールごとにデータが分かれ、次の工程で使えなくなります。
1つ目の取り組みから、どのデータを次の工程に渡すのかを決め、業務の流れとして設計しておくことが大切です。
Deflagでは、人材紹介会社の業務プロセスを整理し、どの工程の手順を揃え、どこにAIを組み込むかを決めるところから、実装と効果の検証までを支援しています。
人材紹介会社のAI活用は、書類作成の効率化までは多くの会社で進んでいます。
しかし、空いた時間では成約を左右する指標は変わらず、AIの使い方が個人任せのままでは組織の成果になりません。
成約を伸ばしている会社は、面談・提案・育成の手順と基準を先に揃え、AIを業務の流れに組み込み、面談設定率や決定率などの指標で測って直しています。
まずは自社の指標のうち、どの段階で次に進む求職者が少ないのかを確かめるところから始めてみてください。
自社で次に何をすればよいのか、売上を増やすために何から手を付けるべきかを、誰かと一緒に考えてみたいという方は、ぜひ一度私たちにお話を聞かせてください。

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