戦略コンサルティング

STP策定支援

ペルソナ / CJM /UXフロー策定支援

プライシング再設計支援

KGI / KSF / KPI / ミッションツリー策定支援

SaaSモデル / クラウド化転換支援

新規事業立ち上げ支援

ITコンサルティング

ビジネス部門支援

経営企画・事業企画チーム立ち上げ支援

カスタマーサクセスチーム立ち上げ支援

CS ヘルススコア構築支援

カスタマーサポート対応自動化支援

サービスサイト / ランディングページ構築 / リニューアル支援

オウンドメディア立ち上げ支援

プロダクト部門支援

グロースハック施策企画 / 実行支援

プロダクトロードマップ策定支援

プロダクト開発体制支援

プロダクト運用体制支援

プロダクト組織の強化 / 育成支援

開発部門支援

インフラ(クラウドサーバー)コスト削減支援

開発パートナー会社見極め・選定伴走

CTO採用支援

データ支援

データ基盤(DWH)構築支援

Tableauダッシュボード構築支援

GA4導入 / 活用支援

データ活用人材育成・トレーニング

サービス

AIエージェントに会社のワークフローを任せると、たぶん事故ります

2026/5/19

株式会社deflag CPO

中前 秀太

リンクをコピー

    AIエージェントが「業務を勝手にやってくれる」と話題になっています。私もdeflagで毎日使っていて、個人の相棒としては本当に頼りになります。

    でも、これを「会社のワークフロー全体に乗せる」となると、話が変わってきます。最近、自分のチームでも周りの会社でも、こういう事故の話を聞きます。

    • メンバーごとに指示の言い方が揺れて、エージェントが勝手に処理を書いて暴走する

    • ガードレール設計をしていたはずなのに、完璧には守ってくれない

    • 昨日はうまく動いていたのに、今日はモデルの気まぐれで仕事が回らない

    これはAIが進化していないからではなく、使う側の設計が追いついていない、という話だと思っています。今日は、deflagでAIエージェントとワークフローツールを使い分けてきた経験から、「個人の相棒と会社の血流」をどう分けて考えているかを書きます。

    AIエージェントは「個人の相棒」としては優秀でした

    deflagでは、私がほぼ毎日AIエージェントを使っています。Slackで「競合の動きまとめといて」とメンションすると、すぐにレポートが上がってくる。会議のアジェンダ案も、メールの下書きも、長文の要約も、ほぼ全部任せています。週に換算すると10時間近くは時間が浮いている計算です。

    このやり方は「個人の相棒」として最適化されています。私の言葉のクセ、聞きたい粒度、判断の基準は、運用しているうちにエージェントが学んでくれます。最終判断は私がやるので、出力がぶれても自分の中で吸収できる。閉じた世界で完結している、という言い方もできるかもしれません。

    これがハマる理由はシンプルで、指示する人が1人だけだからです。指示の解像度をコントロールできるのは私自身。エージェントの挙動の揺れも、私の感覚の中で調整できる。1人芝居だから、息が合います。

    でも「会社のワークフロー」を任せると、話が別になります

    ここから本題です。

    deflagでも、ある業務を「個人の相棒」から「チーム全員が使うワークフロー」に拡張しようとしたことがありました。指示の出し方の手本を作って、メンバーに共有して、同じエージェントに同じタスクを任せられるようにする。うまくいくと思っていました。実際には、そうはなりませんでした。

    何が起きたかというと、人によって指示の言い方が微妙に揺れるんです。

    私が「○○の競合動向、3社まとめて」と言うとき、頭の中には暗黙の前提があります。「市場規模より直近のリリース動向を優先」「比較表で出して」「URLは出典として残して」——書かなくても私には分かっている、いわば無意識の制約です。

    別のメンバーが同じタスクを頼むときは、同じ前提を共有しているとは限りません。「○○について調べて」と一言だけ送ると、エージェントは自由に解釈して、想定外のアウトプットを出します。それは「乱暴」というよりは、仕組みを作った人の脳内ガードレールが、使う人にはないという構造の問題でした。

    ガードレール設計はしていたつもりでしたが、設計の中身が「私の脳内」にあるうちは、AIエージェントだけでは完璧に守れません。そして、これが一番厄介なのですが、昨日はうまく動いていたタスクが、今日は同じ指示で違う結果になることがあります。モデルの確率的な揺れというやつです。

    個人で使っているときはご愛嬌で済みます。けれど、会社の業務として「明日のクライアント向け資料の元データ」を任せていて、当日に動かないとなると、これは事故です。

    失敗できない業務・マニュアル化できる業務は、ワークフローツールへ

    ここまでで分かったのは、「失敗できない業務」と「マニュアル化できる業務」をAIエージェントだけに任せるのは、たぶん向いていないということです。

    そういう業務は、決定論的なワークフローツールに型として落とすほうが向いています。n8nでも、Difyでも、Zapierでも、何でもいいです。共通しているのは、「同じ入力に対して同じ出力が返る」という再現性です。

    • AかBかの分岐を明示的に書ける

    • どこで止まったかログが残る

    • 異常があったら同じ条件で何度でも再現できる

    これがあるから、会社の業務として乗せられます。

    逆に、AIエージェントが向くのはこういうタスクだと思っています。

    • 探索的な調査(決まった答えがない、複数の切り口で考える)

    • 自由度の高い壁打ち

    • 1人で完結する個人タスク

    もう1つの使い方として、スクリプトを書かせて、それを定期実行するやり方もアリです。AIに作ってもらって、できあがった決定論的なロジックを別の場所で動かす。これだと、モデルの気まぐれの影響を受けにくくなります。

    ワークフローツールの設計こそ、AIエージェントの出番です

    ここで一つ、誤解を解いておきたいことがあります。

    「会社のワークフローはツールに任せろ」と書きましたが、AIエージェントが不要になるわけではありません。ワークフローツールの設計フェーズこそ、AIエージェントが一番効きます

    deflagでは、こんな分業をしています。

    • 青写真と向かいたいゴールは私が決める——何を達成したいか、どんな業務体験にしたいか

    • フロー設計の指示出しと、一部実装はAIエージェントに任せる——ノードの組み立てや細かい接続まで自動で書いてくれる

    • 私はそれをレビューして、ツールに乗せる

    これは「設計者と実装者」の関係をAIで再現しているイメージです。私が設計者として方針を決め、エージェントが実装者として手を動かす。実装は速くなるし、私は判断と設計に集中できる。

    過去の記事で「AIの出力品質はこちら側の設計力にほぼ比例する」と書きましたが、ここでも同じ話です。ゴールが曖昧だと、エージェントが書くJSONも揺れます。逆に、ゴールが明確で「MECEに洗い出した分岐」が手元にあれば、実装は驚くほどスムーズに進みます。

    deflagで敷いているガードレール設計の3原則

    ここまでの話を踏まえて、deflagで「ガードレール設計として絶対これは敷いている」と決めているルールを3つ紹介します。

    1. 重要な実行・ステップは、人間の確認を必ず挟む

    顧客への送信、外部公開、お金の動きが絡む処理は、自動実行しません。エージェントは「ドラフトまで」「実行手前まで」を担当します。最後のGoサインは人間です。

    2. 決めた分岐以外には行かないようにする

    ワークフローツール側で、想定外のパスに進んだら止まる構造にします。AIエージェントは「便利な解釈」をしてくれますが、それが想定外の動作につながることもあります。型として閉じておくと、安全側に倒れます。

    3. 事前にMECEに洗い出す

    これが一番手間がかかりますが、一番効きます。業務の入り口・出口・分岐・例外を、漏れなくダブりなく書き出す。書き出してから初めて、「ここはAIエージェント、ここはワークフローツール、ここは人間」と分けられます。MECEな洗い出しを飛ばすと、後でガードレールが効きません。

    この3つは、たぶんどんな会社でも応用できる原則だと思っています。

    今、自分が取るべき手段はどっちか

    最後に、これを読んでいる方に考えてほしいことがあります。

    今、自分の会社でAIエージェントに任せている業務、それは「失敗できる業務」ですか?「マニュアル化できる業務」ではありませんか?

    もし両方YESなら、それはたぶんワークフローツールに移したほうが安全です。AIエージェントは設計フェーズか、自由度の高い相棒として残しておく。もしどちらもNOなら、AIエージェントに任せたままで問題ないかもしれません。むしろ得意領域です。

    業務の性質を見極めて、手段を分けて使う。これがAI時代の「プロセス設計」だと思っています。

    プロダクトを担うCPOから、プロセスを担うCPOへ。これは私自身がここ最近、強く意識しているシフトです。プロダクトの中の体験を設計してきた人なら、業務プロセスの体験設計もできます。むしろこれからは、PdM経験のある方が「プロセスデザイナー」として活躍できる領域が広がってくる気がしています。

    何かに事故が起きてから対応するのは、しんどいです。動かなくなった日の朝に「今日のミーティング資料、エージェントに任せてたんですけど…」と言われる側にも、言う側にも、なりたくないと思っています。

    もし「うちのAIエージェントの使い方、これでいいんだろうか」と気になる方がいたら、Xでもnoteのコメントでも、気軽に話しかけてください。一緒に整理しましょう。

    株式会社deflag CPO

    中前 秀太

    知見

    • 知見

    経営者の「全社AI導入」、まず理解してもらう3つのこと——AI予算は誰が握り、どう運用するか

    経営会議の予算検討アジェンダの中で、CEOや事業責任者から「各社が進めている全社AI導入を、うちでも予算に組み込まないのか」と問われるケースが、ここ数ヶ月で増えてきているのではないでしょうか。生成AI やAIエージェントの成功事例を目にする機会が一気に増え、自社でも早く取り入れたい、というスピード感...

    2026/5/20

    • 知見

    経営陣から「AI活用して抜本的にコスト削減できないのか」と問われた際に、最初にやるべきこと

    経営ボードや事業責任者から「AIを活用して抜本的なコスト削減プランは出せないのか」と問われることが増えてきているのではないでしょうか。AIによる業務改善やBPOでコスト効率化を図ることが、経営アジェンダとして語られる機会が当たり前になりつつあります。読者の皆さんは経営からの問いに対して、どんなリアク...

    2026/5/15

    • コラム

    AIエージェントに会社のワークフローを任せると、たぶん事故ります

    AIエージェントが「業務を勝手にやってくれる」と話題になっています。私もdeflagで毎日使っていて、個人の相棒としては本当に頼りになります。でも、これを「会社のワークフロー全体に乗せる」となると、話が変わってきます。最近、自分のチームでも周りの会社でも、こういう事故の話を聞きます。メンバーごとに指...

    2026/5/15

    コラム・ニュースに戻る

    arrow_forward

    お役立ち資料

    営業部門のAIエージェント活用ガイド|営業現場が変わる10の業務

    ダウンロード

    お役立ち資料一覧を見る

    Contact

    まずはお気軽にご相談ください