戦略コンサルティング

STP策定支援

ペルソナ / CJM /UXフロー策定支援

プライシング再設計支援

KGI / KSF / KPI / ミッションツリー策定支援

SaaSモデル / クラウド化転換支援

新規事業立ち上げ支援

ITコンサルティング

ビジネス部門支援

経営企画・事業企画チーム立ち上げ支援

カスタマーサクセスチーム立ち上げ支援

CS ヘルススコア構築支援

カスタマーサポート対応自動化支援

サービスサイト / ランディングページ構築 / リニューアル支援

オウンドメディア立ち上げ支援

プロダクト部門支援

グロースハック施策企画 / 実行支援

プロダクトロードマップ策定支援

プロダクト開発体制支援

プロダクト運用体制支援

プロダクト組織の強化 / 育成支援

開発部門支援

インフラ(クラウドサーバー)コスト削減支援

開発パートナー会社見極め・選定伴走

CTO採用支援

データ支援

データ基盤(DWH)構築支援

Tableauダッシュボード構築支援

GA4導入 / 活用支援

データ活用人材育成・トレーニング

サービス

AIが浸透したとき、組織はどう変わるか

2026/7/10

株式会社deflag CEO & Founder

佐々木 陽

リンクをコピー

  • # AI

  • # AI導入

  • # 経営者・役員

ある企業の組織図を見たとき、「10年後、この構造はどうなっているんだろう」と思うことがあります。

現場、リーダー、課長、部長、事業部長、執行役員、取締役——多くの企業は、こんな7〜8層の階層で動いています。
それぞれの層が情報を整理して上に届け、上からの判断を下に伝える。この構造は、何十年もかけて積み上げられてきた組織の常識です。

AIが本格的に浸透したとき、この構造が根本から変わると思っています。
具体的には、この7〜8層が3〜4層になる日がそう遠くないうちに来る、という感覚です。

なぜそう感じているのか。変化した先に何が起きるのか。順を追って書いてみます。


中間管理職の「本業」はバケツリレーだった

中間管理職の仕事の本質を問われたら、「情報のバケツリレー」と答える人が正直なところ多いんじゃないかと思います。

現場から上がってきた情報を整理して上に届ける。上からの指示を咀嚼して現場に伝える。各チームの状況を集約して部門間で調整する。週次レポートをまとめ、会議の議事録を作り、KPIの進捗を可視化する——これらが、多くのマネージャーの時間の大半を占めています。

もちろんそれだけではなく、メンバーの育成や意思決定、チームの雰囲気づくりも重要な役割です。でも現実として、多くの管理職はこうした「情報の中継業務」に相当な時間を割いています。

これが、AIエージェントが最も得意とする領域です。

定型レポートの作成、情報の集約と整理、進捗のモニタリング、アラート通知、部門間の情報共有——今すでにAIがかなりの部分を担えるようになっています。
SFAへの入力、週次レポートのまとめ、会議後の議事録作成——こうした業務をAIエージェントが処理するようになると、「情報を集めて整理して届ける」ために人が費やしていた時間が大きく削減されます。

一人のマネージャーが見られるメンバーの数が増える。階層をまたいだバケツリレーが激減する。
必然的に、必要な階層数が減っていく——これがAIが浸透した組織で起きることだと思っています。


データが溜まると、人の役割が「使う」から「設計する」に変わる

企業のデータウェアハウス(DWH)に構造化データが集積され、データレイクハウス(DLH)に非構造化データも蓄積される。その上にAIが乗った世界では、バケツリレー業務の多くが自動化されます。

ただ、そこで興味深いことが起きます。

データ基盤が整い、AIが情報を処理するようになると、人間の役割が「情報を使う側」から「情報を設計する側」に変わるんです。

「何のデータを正規化して集積するか」「非構造化データのどこにタグを付けてAIに読み込ませるか」「日常の会議の発言のどの部分を記録として残すか」——こういった判断は、AIにはできません。人間が決める必要があります。

AIはデータを処理することは得意ですが、「何をデータにするか」の判断は苦手です。

AIはデータから学ぶ。だから、何を学ばせるかが問われます。
それを見極めて自組織に落とし込める人材が、これからの組織で重要な役割を担うことになります。

日常の組織内会話、会議の音声、メールのやり取り、商談の記録——これらすべてが蓄積・処理される時代には、「何を記録し、どう構造化し、何のタグを付けてAIに渡すか」という設計力が、組織の競争力に直結していきます。
データが溜まれば溜まるほど、この設計力の差が拡大していくと感じています。


未来の管理職に求められるのは「言語化・構造化・タグ付け」

では、AIが浸透した組織で必要とされる管理職は、どんな能力を持った人なのか。

「言語化・構造化・タグ付けができる人」だと思っています。

今の多くの管理職は、「正規化データ」と「非正規化データ」の違いを意識したことがないかもしれません。
「データドリブン経営」と言いながら、データがどのように集積され、どうすればAIが活用できる形になるのかを理解している管理職は、実際にはかなり少ないです。

でも、これがこれからの管理職の基礎リテラシーになると思っています。

言語化は、曖昧な言葉でなく因果関係や前提条件を含めて情報を伝える力です。
「なんとなく感じていること」をAIが処理できる形の情報に変えるには、まず人間が言語化できなければなりません。

構造化は、情報をロジックツリーや階層で整理する力です。
バラバラな情報を構造化して届けることで、AIが意味のある形で処理できるようになります。

タグ付けは、どの情報に何のラベルを付ければAIが活用しやすくなるかを設計する力です。
「この商談は競合が絡んでいた」「この意思決定の前提はX」というようなメタ情報を付与する習慣が、データの質を決めます。

この3つは、今すぐ鍛えられる能力です。
AIが高度化する前に、この方向に意識を向けておくことが、管理職としての価値に直結していくと思っています。


組織格差と個人格差が同時に起きる

この変化に対応できた組織とそうでない組織では、収益性に大きな差が生まれます。

データ基盤を整備し、AIが活用できる情報設計ができている組織では、意思決定のスピードも精度も上がります。現場の情報がリアルタイムでAIに処理され、経営判断に必要なデータが即座に手元に揃う状態になる。

一方で「なんとなくExcelで管理している」「会議の内容は各自のメモに散らばっている」という状態の組織では、AIを導入しても本来の効果が出ません。

この差は、データ基盤が整うほど、AIが浸透するほど広がっていきます。

個人レベルでも、同じ構図の格差が生まれると思っています。

エンジニアやデータアナリスト、デザイナーといった職種で、これはすでに起きていることです。
かつて「AIに代替される」と言われていた職種でも、ゼロから何かを生み出せる人——0→1をつくれる人——の価値は上がり続けています。

既存のパターンを実行するだけの人との差は、報酬にも明確に現れてきています。

ホワイトカラー全般で、これと同じことが始まろうとしていると感じています。
「言語化・構造化・タグ付け」ができる人材と、できない人材の間に、同じような対比が生まれていく。AIが浸透した組織の中で、この二極化はかなりはっきりした形で顕れるんじゃないかと思っています。


経営者が今から着手できること

この変化は、企業のデータ基盤が整うとともに加速度的に顕在化します。

「いつか来る変化」と思って先送りしているうちに、気づいたら競合との差がついていた——というのが、この種の変化の怖いところです。

経営者が今から着手できることの根本は、「ロジックツリー型で情報を整理する思考習慣」を組織に根付かせることだと思っています。
AIが活用できるデータは、曖昧な言葉の塊ではなく、構造が整理された情報です。
この思考習慣が組織に根付いていないと、データを集積しても、AIが処理できる形になりません。

この思考習慣が土台にあると、実践が自然と変わっていきます。

会議の設計が変わります。
議論のプロセスと、結論の背景・理由がデータとして残るような進め方になる。
「決まったこと」だけでなく「なぜそう決まったか」が記録に残る会議は、AIにとって処理しやすい素材になります。

指示の出し方が変わります。
「これよろしく」ではなく、前提・目的・判断基準を言語化した指示になる。
受け取る側の解釈のブレが減るだけでなく、その指示の背景がデータとして蓄積されていきます。

レポートのフォーマットが変わります。
「読み物」としてのレポートから、AIが処理できる構造を持ったレポートになる。
ナラティブな文章よりも、因果関係が整理された構造的な情報のほうが、AIには扱いやすいです。

日常の会議の音声も、組織内のやり取りも、すべてが蓄積・処理される時代には、こうした情報設計の力が組織全体の競争力の源泉になっていくと思っています。


「組織の階層が減る」「管理職の役割が変わる」——どこか遠い未来の話に聞こえるかもしれません。

でも企業のデータ基盤の整備は、今まさに進んでいます。
その整備が一定の水準に達した瞬間に、この変化は一気に顕在化します。
ゆっくり進んでいるように見えて、ある閾値を超えると加速度的に変わるタイプの変化です。

「データが溜まった瞬間に顕在化する」——そのくらいの感覚で、今から動いておくといいと思います。

株式会社deflag CEO & Founder

佐々木 陽

株式会社Deflag代表取締役CEO。リクルートでの大型サービスDX推進を経て、Oneteam Inc.を創業・売却。現在はDeflagにて100社以上の企業の戦略・AIインテグレーション・データ基盤構築を伴走支援。情報経営イノベーション大学(iU)客員教授。

知見・コラム

  • コラム

考えながら動き、動きながら考える:未知を扱うプロジェクトの進め方

プロジェクトは立ち上がり、担当も決まり、メンバーはそれぞれのアクションを着実に進めている。定例会議では毎回、各担当から進捗が報告される。それなのに、プロジェクト全体として前に進んでいる感じがせず、狙っていた数値も動かない。私はデータとAIの領域で複数の会社の新規の取り組みを支援する中で、この状態を何...

2026/8/17

  • コラム

「使うたびに賢くなるAI」は、待っていても来ない

AIは使えば使うほど賢くなる、という言い方をよく見ます。私はこれを、半分だけ本当だと思っています。モデルは確かに進化します。ただ、自分の会社のやり方や、自分の文章の癖を、AIが使っているうちに勝手に覚えてくれることはありません。昨日直したことを、今日もまた直す。AIを業務で使っている方なら、覚えがあ...

2026/8/17

  • コラム

BigQueryのDWHを非構造化データへ拡張する:データレイクハウスの全体像

BigQueryでDWH(データウェアハウス)を構築すると、売上・顧客・広告といった構造化データを統合して分析できるようになります。そこに「議事録や過去の戦略資料からも示唆を出したい」という要望が来ることがあります。PDFやPowerPoint、音声はBigQueryのテーブルには入りません。本記事...

2026/8/12

記事一覧へ

arrow_forward

お役立ち資料

営業部門のAIエージェント活用ガイド|営業現場が変わる10の業務

ダウンロード

お役立ち資料一覧を見る

Contact

まずはお気軽にご相談ください