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「AI、入れたのにP/Lが動かない」を組織で超える

2026/8/24

株式会社deflag CRO

岩瀬陽平

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  • # AI導入

  • # 営業マネージャー

  • # AI

DeflagでCROをしている、岩瀬です。

この記事は、AIをもう入れた。でも、なんだか成果につながっている実感がない…。

そんな手応えのなさを抱えた、営業やマーケの現場のリーダーに向けて書いている。

読み終わる頃には、「足りなかったのはAIそのものではないかもしれない」と、少し景色が変わるはずだ。

「AI、入れたんですけどね」——どの現場でも返ってくる同じ言葉

いろいろな会社の方と、営業やAIの話をする。
そのたびに、判で押したように返ってくる言葉がある。

「AI、入れたんですけどね。」

そのあとに続くのは、たいてい同じだ。

「正直、P/Lには、まだ効いてる感じがしないんですよ。」

業種も規模も違う。なのに、出てくる言葉はほとんど同じ。

これはもう、個社の事情というより、時代の踊り場みたいなものだと感じている。
実際、これは私の肌感だけの話ではない。

PwC Japanの調査でも、日本企業の生成AI導入率は5カ国の中で平均的な水準まで来ている一方、「効果が期待を上回った」と答えた企業はごく一部で、「期待を下回った」がむしろ増えている、という結果が出ている(出典: PwC Japan「生成AIに関する実態調査 2025春」)。

入れた。でも、動いていない。
この静かなズレが、いま、あちこちで起きている。

問題は「使えない」ことじゃない。「できる個人」で止まっていること

ここで、少し違う角度から見てみる。

うまくいっていない、と言う会社にも、たいてい「AIを使い倒している人」は、ちゃんといる。

議事録をあっという間に整え、提案の壁打ち相手にして、リストの温度感まで読ませている。

一人か、二人。社内で「AI強い人」と呼ばれている、あの人たちだ。

問題は、その先だ。
その人のうまさが、隣の席に伝わらない。チームに広がらない。
ましてや、組織全体の数字にはつながっていかない。

先ほどのPwCの調査でも、生成AI活用の課題の1位は「リテラシー・スキルの不足」で、7割を超えていた。

つまり、多くの現場で起きているのは「AIが使えない」ではなく、「使える個人」のところで止まっている、ということなのだと思う。

道具の性能の問題ではない。使う人の、格差の問題。

そして格差は、放っておくと縮まらない。
むしろ、できる人はもっとできるようになり、差は静かに開いていく。

そして、「できる個人」に頼った組織は、思っているより脆いものだ。

その人が忙しくなれば、AI活用はそこで止まる。
その人が異動したり、辞めたりすれば、ノウハウごと消えていく。

一人のうまさは、組織の力とは違う。

いま本当に開こうとしている差は、AIを入れた会社と入れていない会社の差ではないのだと思う。

「できる個人」に頼っている組織と、「組織で回せる」組織の差。
同じAIを触っていても、1年後にはまるで違う景色になっている。

そんな予感が、現場を回るほどに強くなっている。

だから、カンファレンスを主催することにした

この「個人止まり」の状態を、どうにか組織の話に引き上げたい。
そう思って、一つ、腹を決めてやったことがある。

8月18日に、「Sales Data × AI Conference」というオンラインカンファレンスを、Deflag主催で開いた。

無料で、8人の登壇者に集まっていただく企画だ。
準備の手間だけを考えれば、割に合わない、と言う人もいるかもしれない。

それでもやろうと思ったのは、一つの願いからだった。

AI活用を、「できる個人」の武器で終わらせず、組織で使える状態へ。

その最初のきっかけを、どこかで作りたかった。

自社のサービスを売り込む場、というより。
同じ踊り場に立っている人たちが、次の一歩の輪郭を掴むための場。

そういうものを、一度ちゃんと置いてみたかったのだと思う。

だから、登壇者もDeflagだけで固めることはしなかった。

基盤、AI実装、組織、データ連携。
それぞれの領域で実装を通ってきた方に、それぞれの言葉で話してもらう。

一社の正解を配る場ではなく、いくつもの角度から光を当てる場にしたかった。
「組織で使える状態」への道は、たぶん一本道ではないからだ。

自社の状態も、お客様との関係も、会社の数だけ違う。
だからこそ、答えを渡すのではなく、考える材料を渡したい。

そんな設計に、自然となっていった。

8つのセッションに、こっそり通した一本の背骨

このカンファレンスは、8つのセッションで構成している。
一見すると、登壇者もテーマもバラバラだ。

基盤の話、AI実装の話、組織変革の話、データ連携の話。

でも、並び順には、私なりの設計意図を通した。

まず、外の変化と、内の変化に、どう手を伸ばすか。その「考え方」から入る。
次に、それを支える「基盤」。
そして「技術」、さらに現場で効く「ノウハウ」へと、順番に降りていく。

考え方 → 基盤 → 技術 → ノウハウ。

抽象から具体へ、きれいに積み上がるように並べたつもりだ。

登壇いただく方々も、それぞれの層で、本物の実装知を持っている方ばかりだ。
基調講演から、データ、AI実装、アウトバウンド設計、SFAの定着まで。

どのセッションも、机上の戦略論ではなく、現場を通ってきた言葉になっている。
そこは、主催者として静かに誇りに思っている。

積み上げた最後に、あえて「人」を置いた理由

ここまで読んで、少し不思議に思うかもしれない。

考え方、基盤、技術、ノウハウ。
そんなに丁寧に積み上げて、最後にたどり着く結論は何なのか、と。

私が最後のセッションに置いたのは、「人」の話だった。

どれだけ基盤を整えても、どれだけAIで狙いを定めても。
それを実行するのが人でなければ、成果は出ない。

AIとデータの祭りをやっておいて、着地は原点回帰。
そう言われると、矛盾しているように聞こえるかもしれない。
でも、私はこの矛盾を、矛盾のまま出したかったのだ。

AIを突き詰めれば突き詰めるほど、最後に残るのは、「人が動けるかどうか」だと感じているから。

AIが仕事を奪う、という話ではない。
AIで浮いた時間と、AIが整えた土台の上で、人がどこに向かって動くのか。
組織でAIが効く、というのは、たぶんその一点に尽きるのだと思う。

「人が動ける」というのは、精神論ではない。

AIが議事録を巻き取り、データを整え、次の一手の候補まで並べてくれる。
そうやって浮いた時間と、揃った土台の上で。
人が、迷いなく「次はここに行こう」と踏み出せる状態。
そこまで設計できて、はじめて数字が動き始めるのだと感じている。

裏を返せば、基盤も技術もノウハウも、人が動くための「助走」なのだと思う。
助走だけを立派にして、肝心の走る人を置き去りにしていないか。

自戒も込めて、そこを一番問いたかった。

技術の話に見えて、本当は、人と組織の話。
このカンファレンスで一番伝えたかったのは、そこかもしれない。

9月9日、その「きっかけ」を一緒に見てほしい

Sales Data × AI Conferenceは、9月9日開催、アーカイブ配信だ。
参加は無料で、都合のいい時間に、少しずつ観ていただける。

私自身も、セッション3「逆算で描く営業基盤の再設計」で登壇する。

「個人の武器」を、どう「組織の力」に変えていくか。
その逆算の道筋を、私なりの言葉でお話しするつもりだ。

「AIは入れたのに、まだ動いていない気がする。」

もし、この記事を読んでそんな感覚が少しでも動いたなら、9月9日、画面の向こうで、一度お会いできたら嬉しい。

▼ 開催概要・お申し込みはこちら
https://deflag.net/data_ai_conference

株式会社deflag CRO

岩瀬陽平

インテリジェンス(現パーソルキャリア)で人材事業に従事後、アイセール(現クロス・オペレーショングループ)執行役員として全国110社超のMA導入・インサイドセールス立ち上げを支援。その後、株式会社Labosを創業。現在はDeflagにて、営業の「型化」と伴走型支援を軸にクライアント企業の営業変革を伴走支援している。

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