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ある調査の結果を見て、「やっぱりそうか」と思いました。
Deflagで、約25,000人を対象に生成AIの利用状況をアンケートで調べてみました。
利用率は30%を超えていました。けっして低くない数字です。
ところが業務改善の実感はほぼゼロでした。
「使っているのに変わらない」——これが今の多くの企業が直面している現実だと思います。
この結果を前に、なぜこうなるのかを整理しておきたいと思います。生成AIの問題ではなく、会社側に構造的な問題があると感じています。
30%以上が生成AIを使っているのに、業務改善がほぼ見られませんでした。
この結果は一見不思議に見えるかもしれません。
ChatGPTをはじめ、生成AIのツールは確かに便利です。
使えば何かしら時間が短縮できる感覚もあります。
なのに、なぜ組織全体の生産性は上がらないのか。
答えは「何に使っているか」にあります。
調査を深掘りすると、利用の大半が「質問に答えてもらう」「文章を書いてもらう」「調べ物を手伝ってもらう」といった使い方に集中していました。
これはつまり、検索エンジンが賢くなったのと大差ない、ということです。
生成AIの本質は、問いに答えること。それ自体は素晴らしい能力ですが、業務プロセスを変えるものではありません。
たとえば「この資料の要約を作って」と頼むと、たしかに速く要約が出てきます。
でもその資料を作るプロセス、承認フロー、共有の仕方——これらは何も変わっていません。
個人の利便性は上がります。でも組織の生産性は、業務の流れそのものが変わらない限り上がりません。
そこを混同したまま「うちも生成AIを導入した」と言っている会社が多いです。
個人がChatGPTを使い始めただけでは、会社は変わりません。
同じ調査の中で、確かに業務改善に至ったケースもありました。共通していたのは一点——AIエージェントを使って、業務プロセス自体を自動化していたことです。
対話型AIとの違いを一言で言うと、「使う」か「組み込む」かの違いだと思っています。
対話型AI: 人が問いを立てて、答えをもらって、判断して、次のアクションを起こす
AIエージェント: プロセス自体をAIが実行する。人が逐一問いを立てる必要がない
たとえば、営業のヒアリング内容をCRMに入力する作業があったとします。
対話型AIなら「この内容をCRMのフォーマットにまとめて」と頼めます。
でもAIエージェントなら、ヒアリングが終わった時点で自動でCRMへの入力まで完結します。
この差が、10%以上の改善と「ほぼゼロ」の差を生んでいました。
ただ、正直に言うと10%という数字はまだ低いです。
プロセスのAs is / To beに伴走してAIエージェントを活用したワークフローを整備した会社は、30%以上の業務改善を実現しています。
現状の10%は「うまくいっているケースでも、まだ入口段階」という数字だと思っています。
では、なぜAIエージェントを活用する会社が少ないのか。
アンケートで「生成AI活用が進まない理由」を聞いたところ、最も多かった回答が「プロセスを分解することができない」でした。次いで「設計も実装もできない」、「セキュリティが怖い」と続きます。
これを見て思うのは、これはAIの問題ではないということです。
プロセスを分解できないのは、AIが難しいからではありません。
自分たちの業務の流れを言語化できていないからです。
「なんとなく毎日やっている仕事」を、ステップに分解して可視化できている会社は意外と少ないです。
セキュリティの懸念はもちろん正当なものですが、多くの場合「よくわからないから怖い」という段階にあります。
設計や実装ができないのも、業務の構造が見えていないから設計のしようがない、という話だったりします。
この調査を通じて、改めてはっきり見えたことがあります。
生成AIによって、個人の働き方は確実に変わってきています。
文章を書く速さ、情報を集める効率、アイデアを出す量——個人レベルでは明らかな変化が起きています。
でも組織が変わるには「プロセス設計の見直し」が必要で、そこをすっ飛ばしたまま生成AIを入れても、結果は「賢い検索ツールを全員に配った」で終わります。
「AIを導入したのに変わらない」という声をよく聞きますが、その多くはこの構造になっています。
AIの問題ではなく、プロセスを見直す前にAIを入れてしまったという順番の問題だと感じています。
ではプロセスを見直せばいいかというと、これが思いのほか難しいです。
自分たちの業務プロセスは、自分たちではなかなか見えにくいものです。
毎日やっていることは「当たり前」になっていて、「なぜそのステップが必要なのか」を問い直せなくなっています。
そこに第三者の目が入ると、「なんでこのステップを人がやっているんですか?」という問いが生まれます。
当事者には当たり前すぎて見えなかったことが、外から見ると非効率の塊だったりします(笑)。
プロセスの分解と設計は、社内だけで完結させようとするより、外部のパートナーを使ったほうが速くて質も高くなることが多いです。
これはコンサルに丸投げするということではなく、「外の目を借りて自分たちのプロセスを可視化する」という使い方です。
生成AIを入れる前に、まず自社の業務プロセスを可視化して分解する。
その上で、どこをAIエージェントで自動化できるかを設計する——この順番を踏んだ会社が、10%以上の改善を実現しています。
AIはもう十分に高性能です。
変わらない理由は、AIの側にはないと思っています。
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