戦略コンサルティング

STP策定支援

ペルソナ / CJM /UXフロー策定支援

プライシング再設計支援

KGI / KSF / KPI / ミッションツリー策定支援

SaaSモデル / クラウド化転換支援

新規事業立ち上げ支援

ITコンサルティング

ビジネス部門支援

経営企画・事業企画チーム立ち上げ支援

カスタマーサクセスチーム立ち上げ支援

CS ヘルススコア構築支援

カスタマーサポート対応自動化支援

サービスサイト / ランディングページ構築 / リニューアル支援

オウンドメディア立ち上げ支援

プロダクト部門支援

グロースハック施策企画 / 実行支援

プロダクトロードマップ策定支援

プロダクト開発体制支援

プロダクト運用体制支援

プロダクト組織の強化 / 育成支援

開発部門支援

インフラ(クラウドサーバー)コスト削減支援

開発パートナー会社見極め・選定伴走

CTO採用支援

データ支援

データ基盤(DWH)構築支援

Tableauダッシュボード構築支援

GA4導入 / 活用支援

データ活用人材育成・トレーニング

サービス

夜中、誰も見ていないPCで秘書がサボっていた

2026/7/2

株式会社deflag CPO / CAO / CIO

中前 秀太

リンクをコピー

  • # AI開発

  • # AI導入

  • # AI

  • # AIエージェント

朝、Slackを開く。
いつもなら、AI秘書がまとめた昨日の日報が、いちばん上に届いている。

その朝は、何もありませんでした。
あれ、壊れた?壊したかな。

これは、自分の活動をまるごとAIに集めさせている人柱実験の、地味な裏側の話です。
前に、2年分の自分をAIに読み込ませたら人脈マップまで勝手にできた、という記事を書きました。
今回はその秘書が黙り込んだ日の話をします。
同じように「自動でなにか動かしてみたい」と思っている方には、たぶん他人事ではありません。

関連コラム:13万件の自分をAIに食わせたら、人脈マップまで勝手にできた

犯人は、AIの賢さではなかった

私は毎晩、AI秘書に日報を作らせています。
日中の私の動きを集めておいて、夜のうちにまとめ、朝いちばんにSlackへ置いておく。
その仕組みが毎晩きちんと動いていました。

それが、ある朝だけ無言だった。

最初に疑ったのは、AIの中身です。
プロンプトを壊したか。集めたデータの形が変わって、まとめに失敗したか。賢いはずのAIが、賢さでつまずいたんだろうと思いました。

でも、調べていくうちに分かってきたのは、全く別のことでした。

止まっていたのは、もっと手前でした。
「手元で動かすと動くのに、放っておくと死ぬ」という、地味で物理的な都合の方でした。
自動化でいちばん厄介なのは、AIの賢さではなく、AIを動かす土台が、こちらの想像以上に気難しいからでした。

順番に、踏んだ罠を並べていきます。どれも、笑ってもらっていい話です!

罠①:夜、本体が勝手に寝ていた

記録を集める担当は、部屋の隅に置いた1台のMacです。
画面もつながず、ただ電源を入れて動かしっぱなしにしている。人間が触らなくても、ずっと黙々と私の行動を拾い続けてくれる。はずでした。

ところがそのMacは、夜中に勝手に寝ていました。

基本的にスリープにならない設定にしてるのですが、なにかが原因でPCがスリープモードに入ってました。
その分、収集と整理作業がまるごと止まっていました。
結果、まとめる材料が一件もなく、日報が空っぽでした。
AIがサボったからではなく、集める担当が、誰も見ていない間にぐっすり眠っていたからでした。

優秀な新人に夜勤を任せたつもりが、消灯と同時に仮眠していた、そんな感覚でした。

罠②:「その棚を見ていい」を一つずつ手で許可する

次に踏んだのは、許可の壁です。

今のPCは、中で動くプログラムに、勝手に何でも見せたりはしません。
「この棚を見ていい」「このフォルダに入っていい」と、人間が一つずつ許可を与えて、はじめて触れる。セキュリティとしては正しい設計です。

問題は、自動で動かしたいプログラムにも、この許可がいちいち必要になることでした。

とくに手こずったのが、クラウドと同期しているフォルダです。
ここはOSがとりわけ厳重に守っていて、自動で中身を触ろうとすると、弾かれる。手で開けば見えるのに、自動だと門前払い。
例の「手元では動くのに、自動だと死ぬ」が、ここでも起きます。

さらに理不尽だったのが、再起動です。
せっかく一つずつ与えた許可が、再起動したあとに一部リセットされていることがありました。昨日まで通れていた扉が、朝になったら、また鍵がかかっている。

ヒヤッとしました。動かない原因がプログラムの中ではなく、その外側の、OS側にあるとは思っていませんでした。

罠③:パソコンごとに「はじめまして」が必要だった

私は自分の記録を、複数台のMacから集めています。(外で作業する用、家用など)台数が増えると、便利になる代わりに、雑用も増える。

たとえばメールの記録を拾う部分。
これが、パソコンごとに「はじめまして」のログインをやり直さないと、動いてくれませんでした。
1台目で済ませたから2台目も大丈夫とはいきません。やり直しを忘れると、収集はエラーも出さず、ただ静かに固まる。

賢さは関係なく、出てくるのは、突然のスリープ、許可設定、やり直しのログイン、ずれる記号。
自動化を止めるのは、いつもこの手の、名前を言うのもばかばかしい雑用ばかりでした!

じゃあ、クラウドに載せればいいのか

ここまで読んで、「それ全部、自前のパソコンで抱えているからでしょう。まるごとクラウドに載せれば解決では」と感じる方もいると思います。
半分は、その通りです。電源の心配も、OSの許可の壁も、クラウドならかなり減ります。

でも、クラウドはクラウドで、別の難しさがあります。

自分の行動の記録は、かなり生々しいデータです。
それをどこまで自分の手の外に預けるか、という問題が出てくる。
動かすための鍵やパスワードを、どこに置いておくのかも考えないといけない。費用は使った分だけ積み上がるし、一度どこかのサービスに合わせて作り込むと、あとから別の場所へ移しづらくもなる。

なにより、止まったときに中が見えにくい。
自前のパソコンなら、最悪その場へ行って画面をのぞける。クラウドだと「なぜか動いていない」の「なぜか」にたどり着くまでが遠いのです。

ローカルで戦う相手が「電源と許可」なら、クラウドで戦う相手は「見えなさと、預ける不安」です。
どちらが上、という話ではありません。置き場所を変えても、難しさが消えるのではなく、難しさの種類が入れ替わるだけでした。

結局、どこで動かすにしても、誰かが「ちゃんと動いているか」を見張っていないと、仕組みは静かに止まる。そこは変わらないんです。

自動化の9割は、地味な運用だった

この実験をやってみて、いちばん腹落ちしたのは、ここです。

自動化の出来を決めるのは、AIがどれだけ賢いかではありませんでした。
賢さは、もう十分です。圧倒的に自分より賢いなと感じます。ただ最後にものを言うのは、寝ないように電源の設定を正しくし、許可の扉を正しく開け、ログインをやり直し、毎朝「今日もちゃんと動いたか」を確かめる。その地味な運用の方です。

これは、がっかりする話ではないと思っています!むしろ逆です!

AIに任せれば全部きれいに片づく、という幻想が一つ消えて、「人間が握っておくべき場所」がくっきり見えた。
前回、私はこう書きました。集めて気づくのはAI、決めて動くのは自分です。
今回それに一つ足すなら、動いているかを見張るのも、まだ人間の仕事だということです。

派手な成果の裏側には、こういった泥くさい番をしている誰かがいます。
自分で組んで、自分で踏んで、それがよく分かりました。

これから何かを自動で動かしてみたい方へ。
最初の一歩は、立派な仕組みを作ることではありません。小さく一つ動かしてみて、それが明日の朝もちゃんと動いているか、を見てみる。
たぶん、何度かは黙り込みます。そのとき「あれ、壊れた?」と笑いながら原因を探せたら、もう半分は運用できています。

Deflagをもっと知りたい方へ

🌐 コーポレートサイトhttps://deflag.net
𝕏 X(Twitter)https://x.com/nakamae__deflag
📝 notehttps://note.com/nakamae_deflag
💼 LinkedInhttps://www.linkedin.com/in/shuta-nakamae-18392828a

株式会社deflag CPO / CAO / CIO

中前 秀太

筑波大学大学院修了。コロプラでスマホゲームのプランナーとして新人賞を獲得後、合同会社MolaTectaを創業。ベーシックでPLG型SaaS事業のプロダクト開発部長を経て、現在はDeflagにてプロダクト戦略の策定・開発をリード。自社業務のAIエージェント化を自ら実践している。

知見・コラム

  • 知見

AI-Readyとは|AI導入との違い、その先に企業が実現する未来

AI導入・AI活用の話題が増え、セミナーや記事、SNSで「AI-Ready(AIレディ)」という言葉を見かける機会が増えました。多くの読者は、AIレディという文字面から「AI活用の準備が整った状態」を意味していることまでは想像できるものの、言葉が抽象的すぎて、自社が具体的にどんな状態になればAI-R...

2026/7/17

  • 知見

データ成熟度(データマチュリティ)とは|自社のデータ活用レベルを確認する

データ成熟度(データマチュリティ)は、自社が今どのくらいデータを扱えているかを、複数の軸で段階として捉える考え方です。AI活用が推進される今、活用すべき考え方のひとつです。本記事は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の『データマチュリティ読本』をもとに、概念の定義と成り立ち、成熟度を知るメリット...

2026/7/17

  • コラム

AI-native時代のデータ人材は、意思決定のガードレールを設計する人になる

AIがSQLを書き、分析し、グラフやレポートまで出してくれるようになった時代、巷では、「データ分析者の仕事はなくなる」とも言われています。これまで人間がやってきた、そして多くの人が内心やりたくないと感じていた作業、たとえばビジネス側の依頼に応じてSQLを書いてデータを抽出したり、他の人が書いたSQL...

2026/7/17

記事一覧へ

arrow_forward

お役立ち資料

営業部門のAIエージェント活用ガイド|営業現場が変わる10の業務

ダウンロード

お役立ち資料一覧を見る

Contact

まずはお気軽にご相談ください